死 「どう、おもっている?」 「なにが?」 「しについて、だ」 「し?だれの?」 「じぶんの、そして、たにんの」 「しは、平等だよ」 「ほんとうにそうか?」 「ほんとう?」 「きいているのだ、ほんとうか、と」 「わからない」 「・・・いま、しねるか?」 「しねない」 「いつしねる?」 「いまはまだ、しねない」 「しは、いったいなんだ」 「わからない」 「しは、そのなかに、なにをふくんでいる?」 「きっと、なにもふくんじゃいない」 「かたちはどんなだ?なにいろをしている?」 「きっとかたちは、つかめない、いろもない」 「くうきなのか?」 「にている・・・かも、しれないけど、きっとちがう」 「とりかこまれている」 「しに?くうきに?」 「どちらでもない」 「・・・くうきがなくなったとき、しだよ」 酸素が、体内に、取り込めなくなったら。 酸素が、体内に、とどまらなくなったら。 「くうきが、おもい」 「――しの、まくあけじゃないか?」 |